暴落対策シリーズ#004:暴落後のバーゲンセール状態で株を買い増ししたい方のための思考実験

先進国株式と、日本株式が、かなり本格的な調整局面(見方によっては暴落局面)に入ったっぽいですね。

 

ここで一番やっちゃいけないのは、単なる投げ売りと、いろんな動画で一斉に湧いて出てくる「今こそ買い時」という煽りに乗っての、ナンピン買い/押し目買いです。

 

理由あっての投げ売りはOK(短期売買をやる人なら、予想が外れてこれ以上下がったら売り、という撤退ラインを定めてそのとおりに実行するのは、むしろ鉄則)。

だけど、長期で積み立て投資をするのが基本スタイルなら、ただ下がったから不安になって売る、は、長期的にはプラスになることを見越して長期・積み立て・分散をやってきたポリシーをかなぐり捨てて、損失を確定させてしまう、ただ損な行動になってしまう可能性が大いにあります。

 

ナンピン買い/押し目買いも、通常時には有効な戦術ですが、暴落時には裏目になってしまうリスクがかなり大きいです。

 

動画(例えばYoutube)は、参考にしてもいいが、信じてはいけません。動画を作る人にとって一番重要なことは、動画を見てもらって再生数を増やして、チャンネル登録者数を増やすことですから、本当に投資を真剣に実施している初心者にとって有益な情報を提供しているのか、ただ時流に乗って面白そうなことを言って観てもらいたいだけなのか、まあ、わからないですよ。かなり真面目な動画制作者だって、再生数とチャンネル登録者数は、極めて大事ですからね。

 

暴落時には、むしろ買い増しのチャンス。暴落後=株のバーゲンセール、というのは、真実ですが、
もう一つの真実として、
「株価の底値は、底値を打った瞬間には、わからない」
ということが、非常に重要です。

 

過去の暴落局面の株価のグラフを見てみればわかるのですが、暴落の最中でも、何度も株価は反発して多少の上昇はします。

そこで、チャンス、と思って買う人がいるから上昇するのですが、残念ながら、多少上昇した後、さらに下がりまくる、なんていうことは、まあ、普通に起きます。

 

逆にいえば、だからこそ、後日、その頃の状況を振り返ると、あの頃は暴落局面の真っ只中だったんだな、と言えるわけです。


だからこそ、暴落のあとのバーゲンセール状態で株を仕込みたい、と思う方は、株価が下がったあとに反発上昇した、という情報だけを見て買うと、かなり高い確率で失敗します(底値で買ったと思いきや、そこからさらに下がり続ける、という残念な結果につながりやすい)。


ブル・ベア指標、も、あんまり当てにしすぎない程度に参考にはする、ぐらいで見ておくのがよいかと思います。市場参加者の多くが悲観的になったら買いのサイン、とはよく言われますが、これは、上がるも下がるもどっちもあり得そうな局面ではかなり信頼してよいサインですが、暴落局面では、市場参加者の多くが悲観的になった状態で、売りが売りを呼んで、さらに下がり続けるからです。


じゃあ、どうすればよいのか。

 

今このタイミングだから、こう言います、という要素が多分にありますが、
米国市場で、主要企業の決算がこれから次々に発表されていきます。この決算の出方と、それを受けての株価の動きを、じっくり落ち着いてウォッチし続け、市場全体として「下げ傾向にストップがかかったな」と、なんとなく思った状態から、まあ、これは間違いなさそうだ、と確信するぐらいのタイミングまで、ごくごく少額ずつ、小口で買い増ししていき(インデックス投信だったら、日単位で少額で定額買い増し設定を入れて、あとは値動きを日々観察する、でOK)、底打ちの確信をしたら、日単位の買い増しの金額をあげていく、が、慎重で失敗の少ないやり方かな、と思います。

 

テスラ、アップル、マイクロソフト、メタ、NVIDIA、もちろんこれだけじゃないですが、このあたりの会社は、前者2社は最近不調、後者3社は好調、なんて、ざっくり言われますが、決算を受けて株価が上がるのか下がるのかは、なかなか事前に当てるのは難しい。

 

決算って、これがまた複雑な話なんですが、良い決算が出たら株価があがる、とか、悪い決算が出たら株価がさがる、とか、そんな単純に動いてくれないんですね。

後講釈で、「好材料出尽くしによる株価下落」とか「悪材料出尽くしによる株価上昇」とか、よくニュースで見ませんかね。
あれ、記者が、「決算は良かった」という情報と「でも株価は下がった」という情報を事後に並べてみて、「好材料出尽くしによる株価下落」って記事を書いているだけです。
株価は短期的には集団心理によって動きますし、それは合理的な反応でもなんでもなく、だからこそ、好決算が出たからといって株価が上がる場合もあれば、下がる場合もあるんです。

ある企業の状況に詳しい人なら、その企業が今回良い決算を出すか出さないか、はある程度予測ができるかもしれませんが、それを受けて株価が上がるか下がるか、まで、そうそう当てられるものではない、というのが、難しいところです。

 

ただ、かなり確実に現実に沿っていると思われる経験則として、
株価は、長い時間をかけて徐々にあがっていきますが、調整局面とか暴落局面では、かなり短い期間に一気に下がります。だからこそ、暴落後のバーゲンセール状態で株を買い増しして仕込みたいなら、
「下がるのは一瞬だが、上がるのは時間がかかる」
という特性を味方につけて、本当に株価が上昇トレンドに戻ってきたのか、をじっくり確認しながら、時間をかけて徐々に買い増していくのが、うまくいきやすい方法かな、と思う次第です。


ではでは。