アクティブファンドの選定には、未来予知能力は必要か否か。

新NISAの宣伝に一役買っているYoutuber等のインフルエンサー、たくさんいらっしゃいますし、私もそのうちの一部は視聴していますが、彼らが 
「なぜ投資初心者にはインデックスファンドをおススメするのか」
の論拠の中に、

 

未来というのは、結局誰にもわからない。
ごく一握りの、先を見通せる突出した能力を持つ人には可能なのかもしれないが、我々凡人には、未来はわからないのだから、どのアクティブファンドがインデックスファンドよりもよいパフォーマンスを出すかは、事前にはわからない。

 

そして、アクティブファンドの9割以上が、インデックスファンドよりもパフォーマンスで負ける。

 

だからこそ、アクティブファンドを選ぶとインデックスファンドを選んだ場合と比べて勝率が著しく落ちるから、インデックスファンドを選ぶのがおススメなのだ。

 

こういった論調は、けっこう見られます。

 

そして、その説明の中で、
例えば皆さん、2010年の時点で、GAFAMがこんなにも急激に成長してS&P500の金額規模の数十%を占めるようになったこと、予測できていましたか、
と例を挙げていたりする。


まあ、投資初心者に最初の一歩としてインデックスファンドをおススメするのは、よいアドバイスだとは思うが、さらには、善意に解釈するとして、話をわかりやすくするために、敢えて極端な表現を使って説明しているのかもしれないが、

 

アクティブファンドを選ぶのに、先を見通せる突出した能力なんて、必要ない、と私は思っています。

 

トランプの神経衰弱みたいに、伏せられたカードからランダムに1枚とか2枚を選ぶような方法でアクティブファンドを選べば、確率90%以上で、インデックスファンドに負けるものを選んでしまうだろう、ということには、同意しますが。


こちらも話をわかりやすくするために敢えて説明を簡略化すると、
・パフォーマンスが高いと想定されるアクティブファンドを選ぶには、諸外国の人口動態をざっくり知っていさえすればよい。
と思っています。

 

例えば、皆さん、日本人だから(一応、いったんそういう想定を置きます)、日本のことが一番よくわかると思いますが、
日本って、もう何十年も、「少子高齢化が進んでヤバい」と言われ続けていますが、
実際に、20年後には、日本の人口は今よりもっと減っているだろう、ということは、予測できますよね。

今ゼロ歳の乳児の数が、20年後の20歳の人口とほぼ一致するのは、未来予知ではなく、単なる客観的事実です。

 

逆に、世界には、まさに今人口が増えていっている国、というのも、あるわけです。
代表例としては、インド、インドネシア南アフリカ、ブラジル、などなどなど。

 

投資ファンドには、投資対象として、先進国に投資します、とか、新興国に投資します、とか、特徴/ファンドの運営ルールが目論見書に明記されているのですが、
新興国全体にまんべんなく投資するインデックスファンド」

新興国のうち、特に人口が増えている国を選んで投資するアクティブファンド」
と、どちらが、優れたパフォーマンスを出すでしょうか、という話なんです。

 

人口が増えている国を知っているかどうか、は、単に知識の問題であり、それ以前に世界のことに興味を持っているかいないか、という話と、ほぼ同義だと考えます。
別に、投資をする人全員が、世界のことに興味を持ち、かつ、深く理解していなければならない、なんてことを言うつもりは全くないですが、何か突出した特殊能力がなくても、多少の知識があれば、優秀なアクティブファンドは、選べるはずですよ、ということを言いたかった、ということであります。